医療用トランスとは

①医療用トランスとは

医療機器において、商用電源との絶縁分離に使用されるアイソレーショントランスで、IEC規格(又は各国規格)への適合性を有しているものを「医療用トランス」と位置付けています。組込用のトランス単体であっても、外付けボックスタイプであっても同じです。

IEC60601-1へ適合させるには、該当する耐電圧や沿面・空間距離への適合が求められます。一般産業用のトランスと比較して、より安全性が求められる医療用トランスは、高い耐電圧、広い沿面距離・空間距離が必要とされています。

100V入力 - 100V出力のトランス比較

IEC 60601-1 IEC 61558-1
耐電圧 4,000V 2,500V
沿面距離 8.0mm 3.2mm

②なぜIEC規格への適合が必要か

医療機器において、トランスを商用電源からの絶縁分離(アイソレーション)に使用するには、IEC60601-1(Ed3.1)で規定されている「電撃に対する保護」に適合する必要があるため、

8項:ME機器の電気的ハザードに関する保護
15.5項:ME機器の電源変圧器及び8.5項に従った分離を備えたその他変圧器
(日本語表記はJIS T 0601-1:2017のもの)

などへの適合が、アイソレーショントランスにも求められます。

耐電圧や沿面・空間距離、温度上昇、短絡、過負荷、単一故障など考慮すべき項目は多岐に渡ります。認証機関においては、電気的性能の他、トランスの構造もチェックされます。アイソレーショントランスのIEC60601-1への適合は、上記項目だけではありません。また、組込用のトランスと、外付けボックスタイプでは必要な規格要求事項は変わってきますので注意が必要です。

③トランス単体で認証は必要か

トランス単体で認証を取得していなくても、IEC規格への適合に間違いがなければ問題ありません。実際当社の医療用トランスの多くは、顧客毎のカスタム設計品であり、トランス単体で認証取得はしていません。その場合、医療機器の安全認証時にトランスの性能や構造も認証機関にてチェックされます。

④なぜ認証品のトランスが求められるのか

安全認証時にトランスが原因で不適合にならないためには、トランスを選定する際に、トランスの性能や構造、IEC規格への適合性を事前に評価することが必要です。しかし機器メーカーから見たら、トランスの性能や構造の評価はわかりづらく、手間がかかります。さらにトランスメーカーとの打ち合わせや、複数回の試作も必要になります。

これらの手間を省くには、トランス設計は信頼できるトランスメーカーに依頼するか、認証取得済みの医療用トランスを採用することが近道です。

安全認証に必要な、医療用アイソレーショントランス。商用電源と絶縁分離し、確実な「患者保護手段」を得る為には、認証品が必須です。

⑤認証品のデメリット

認証品のトランスは仕様変更ができません。入出力電圧、容量はもちろん、構造の変更、機能の追加・削除はできません。

例えば医療機器の電源容量に対してピッタリなトランスがラインアップされていれば良いのですが、最適な容量が無い場合は大きな容量トランスの採用が必要となり、重量、スペース、コストのUPが懸念されます。

認証品では無く、御社向けのカスタム設計品であれば、最適な容量、入出力電圧、コネクタ形状等で提供が可能です。

カスタム事例

30年以上の実績を持つ、北川電機の医療用トランス。その多くは、お客様製品毎のカスタム仕様の医療用トランスです。

カスタム設計事例の一部をご紹介しております。認証品とは違う、医療用トランスのカスタム設計事例もご覧下さい。

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