インバータやスイッチング電源を使うと発生する「ノイズ」。これを抑えるのがノイズフィルタ(EMIフィルタ)です。本記事では、ノイズ対策用リアクトルを手掛ける北川電機(KEC)が、その仕組みと選び方を解説します。
ノイズフィルタ(EMIフィルタ)とは?
ノイズフィルタ(EMIフィルタ)とは、電源ラインに乗る不要な高周波ノイズを除去し、機器を電磁両立性(EMC)規格に適合させるための部品です。機器から電源側へ流れ出す伝導ノイズを抑え、周辺機器への電磁妨害(EMI)や自身の誤動作を防ぎます。
構成部品
ノイズフィルタは、主に次の部品で構成されます。
- コモンモードチョーク(ゼロ相リアクトル):全線を1つのコアに通し、対地に流れるコモンモードノイズに高インピーダンスを示す。
- Xコンデンサ:ライン間に入れてノーマルモードノイズを除去。
- Yコンデンサ:ライン-アース間に入れてコモンモードノイズをアースへ逃がす。
これらを組み合わせ、ノイズだけを選択的に減衰させます。
コモンモードとノーマルモード
ノイズには2種類あり、対策部品が異なります。
種類 | 流れ方 | 主な対策 |
|---|---|---|
コモンモード | 全線が同方向・対地へ | コモンモードチョーク+Yコン |
ノーマルモード | ライン間で逆方向 | Xコン+(ノーマルモードチョーク) |
選定のポイント
- 対象周波数帯:抑えたいノイズの周波数に合わせてコア材・定数を選ぶ。
- 電流容量:定格電流で飽和しない設計。
- 減衰量(挿入損失):規格に対して十分なマージン。
- 設置位置:電源入力の直近に配置し、配線を短く。
メーカー視点
北川電機は、ゼロ相(コモンモード)リアクトル等のノイズ対策コイルを、対象周波数・容量に合わせてカスタム設計・製造します。EMC適合を磁気部品側から支えます。
よくある質問
ノイズフィルタとリアクトルは違いますか?
ノイズフィルタはコイル(コモンモードチョーク等)とコンデンサを組み合わせた回路・部品です。リアクトル(コイル)はその構成要素の一つで、ノイズ除去の主役を担います。
XコンデンサとYコンデンサの違いは?
Xコンはライン間(ノーマルモード用)、Yコンはライン-アース間(コモンモード用)に入れます。役割とノイズの種類が異なります。
なぜインバータでノイズフィルタが必要ですか?
高速スイッチングが高周波のコモンモード/ノーマルモードノイズを発生させ、他機器の誤動作や規格不適合を招くためです。フィルタで規格値以下に抑えます。
インバータ向けリアクトル・高周波トランスのご相談
用途・容量に合わせたカスタム設計。試作1台から量産まで対応します。
まとめ
- ノイズフィルタ(EMIフィルタ)は伝導ノイズを除去しEMC規格適合を実現する部品。
- コモンモードチョーク+X/Yコンデンサで構成し、ノイズの種類ごとに抑える。
- 周波数・容量・設置に合わせた設計・選定が重要。




